2015/12/29

【RNR TOURS特集】Bitoku Sakamoto (Sailing Before The Wind) の2015年

Sailing Before The Windのブレイン、Bitoku Sakamoto氏に、2015年を振り返るインタビューを敢行!
彼が今年、どんな音楽を聴いていたのか、そして2016年の展望について詳しく答えていただきました。すべてのメタルリスナー、そしてSailing Before The Windのファンに読んでもらいたい、濃厚&貴重な情報の洪水!! じっくりと読み込んで下さい。 (RNR TOURS)


今年も忙しそうだったけど、変わらず様々な音楽を聴いてはSNSにアウトプットしていて、凄いなあと思ってました。まず初めに、今年リリースされた作品の中から特に良かったものを教えてもらえますか?


*(A to Z) / タイトルをクリックするとYouTubeへ飛びます。



Bullet For My Valentine / Venom *クリックで視聴可能


このバンドだけが作れる、安心して聴ける曲のオンパレード。‪#‎8のイントロ‬~ブレイクダウンは相当上がった。アウトロでメロディが足されてるセンスも流石。2ndで止まっている人こそぜひ。素直に最高。



スペインのデスコア、1stフル。
正直言って驚愕しました。フル尺ブラスト全開阿鼻叫喚系のデスコアではないですが、音も良いしSEや曲も惰性で作ったような展開が無くて普通に聴ける。欧米のバンドと比べても遜色ない。ミドルテンポでも聴かせてくるのがポイント高いです。同郷のもANHAも良い作品ドロップしていたので、デスコア好きな人はぜひ。辺境だと、他にはチリのNoûsってバンドもオススメ。普通にgot djentのアングラフリーDL的なサウンドなんだけどチリというだけで上がる。




ハイブリッド感、展開、1つ1つのフレーズが洗練されていて音楽的発見のある1枚。聴けば分かります。



最高。最高以外の言葉で説明するのはもはや失礼の域かなと。




音は最強Fredrik Nordströmで隙のない仕上がり。
モダンなアプローチと王道のメタルコアが良いバランスで融合、独特の緊張感が良すぎてかなり狂いました。ブレイクダウンのセンスが光る。余談ですが、Prepared Like A Brideが来日して一緒にプレイした時、ベースにFHTTSの事聞いたら同じオージーなのに名前しか知らなくて衝撃…w 同じオージーでもエリアが離れてると意外と知らないらしいです。




3年振りの2nd。先行で公開された曲が最強すぎて、迷わずメガバンドル(CD+マーチ7種類くらいのやつ)輸入クリックしてしまいました...w。Sienna Skiesとツアーした時にシャツ着てったら、彼らFAEと家が近くて仲良いらしく、俺が着てる姿を撮ってメンバーに送って何やら騒いでた笑。メタルコアというにはリフは無いけど、上物のフレージングに癖があって空間形成が上手い。クリーン秀逸だしIn Hearts Wake好きな人とか聴けると思うんだけど…もっと注目・評価されて良いのではと思います。
ちなみに#8でfeatされてるのはex-Burden of a DayのKyle。




基本的な楽曲構成はいつも通り、安定のブレイクダウン祭りでブレ無し笑 雰囲気ややダークに寄せてきたかなという印象。このバンドは作品を出す度に増えるリズムパターン(ブレイクダウン)の量が異常なので、そのうちドラマーの頭がパンクするのではないかと不安になります。#‎2は名曲‬!




フランスのロック(?)バンド1stフル。ドロっとしていてちょっとRevelation Recordsっぽさもあるような、そんな感じ。 自由な発想があって、音楽的な刺激を受けた1枚。




アメリカのメタルコア、1stフル?かな。
これもLifeLikeと同じで斬新な何かがあるわけでは無かったけど、聴かずにスルーするには勿体ない内容だと思ったので。普通なら1曲目に持ってきそうな#6をこの場所に持ってきたり細かいセンスが垣間見えるアルバム。




アメリカのポストハードコア1stフル。
ポストハードコアと便宜上書きましたがスクリーモが鳴ってます。シャウトが少なめですがとにかくこれが2015年のアルバムとはわりと信じられません、、。特に#4と#9、完全に往年のサウンドすぎて涙ナイアガラ系。。Falling With StyleやSecret Eyesみたいな、現行で当時のサウンドを鳴らすバンドが好きな人、ぜひ聴いて欲しい。ノスタルジックな音が鳴ってます。




バンド自体は10年近く続いている気がしますが、今作で完全にネクストレベル到達。独自のシネマティックメタルコア/ポストハードコアサウンドが見事に完成。全く知らない人に興味持ってもらうために誤解を恐れずとても極端な言い方をすると、My Chemical Romanceにブレイクダウン入れたらこうなります。




ジャンル的にはポストハードコアになるかな?1stフル。
ちょっとクリーンが歌いすぎ(はりきりすぎ)な感もありますが、メロディセンスが面白くて、サビで玄人向けのメロ出してくるとこがツボだった。‪#‎6は知った時からほぼ毎日聴いてます‬。深みのあるメロディで飽きない。‪#‎3もイントロからハイセンス‬。Chasing Safety好きな人はぜひ!クリーンに味わいがある系列では今年だとAmongst Heroesのシングルもオススメ。




デビュー作。超普通のポストハードコアで何も新しいことは無いんだけど、それが良い方に作用したというか、何聴こうか迷った時に自然と親指がここにスクロールしていく系だった。この手のポストハードコア系では他に、シングルになっちゃうけどImaginer(ex-Sinking The Atlantic)とWe RiseThe Tides(R.I.P.)もクオリティ高くて良かった。特に後者、解散が惜しまれます。Separationsも良かった。





アルバムが出るまでリアルにあと50年はかかるのではと思ってましたがw、遂に出ました。耳の速い方々にとっては、このバンドをあえて取り上げることに今更感もあるかもしれませんが、なんだかんだいって1つの型を作った功績は凄いなと。音使いがマイルドで聴きやすいから、何も知らない友人をこっちの世界(どこだ)へ引きずり込むのに使えそうな1枚。




オーストラリアのハードコア。全体は勿論ドラムの音が良くて衝撃だった1枚。
曲が良い意味で2015年ぽくないというか、メタリックで90's的なフレーバーあり感覚的にハマって結構聴きました。右手真面目系のリフが多いしとにかく音が良い!クリア!名盤といって差し支えないと思います。




典型的な1周しても掴みきれないタイプのアルバム。というか聴く度発見があって処理が追いつけない。無意識にSecret & Whisperの音を探している自分がいてエモくなる1枚。ジャケも良い。




1曲目からいきなりParkwayのWild Eyesすぎて逆に上がった1枚。笑。
このバンドは音使いに一貫するS&S節があって非常にかっこいい。後で出てくるWage Warと同じで、もはや練りすぎてるというか1曲1曲のレベルが高すぎて逆にパッと聴きだと印象に残らない人もいるのでは。ボーカルワークも含めて異常な力作。このバンドがブレずにこのまま進化していった先に何があるのか知りたい。#‎5はPVも曲もかっこよすぎて誰も勝てません‬。




ex-Empires改名後のフルアルバム。
ブレイクダウンがいちいち最強すぎて困ります。ニューメタルリバイバル的なグルーヴもありつつ、クリーンもイケてて良いとこどりサウンド。音使いとやってることが去年出たForevermoreのTelosと結構似てる(Voの声のせいか)ので、Forevermoreはやっぱ最強だなー、と再確認したアルバムでもありました。

一応断っておきますが、ここに名前上げなかったものが微妙だったわけではなくて、Myka RelocateやBelie My Burialとかも良かったし…ってやってると終わらないので(笑)切り上げます。


例年にも増して、メタルコア/ポストハードコア周辺のトレンドに変化があったと思うけど、プレイヤーとして衝撃を受けた、新鮮なアレンジや技法が取り入れられた楽曲、又はライブパフォーマンスがあれば教えてください。

① Djentが出てきた時のような、大きな衝撃は結局今年は無かったですね。本当にマニアックなレベルで影響・刺激受けた細かいフレーズとかは色々ありましたが…。メタルコアに限っていえば、そもそもこのジャンルは既にあるフォーマットの中で追求されるものであって、従って新鮮さを出すのがどんどん難しくなってきている印象です。その中で、新しさとルール違反をはき違えてしまうと評価の軸がブレるので、気をつけたいなと思っています。



Twitterでも軽く話に出しましたが、メタルコアを天ぷらの盛り合わせに例えると、どういう具材に衣(ブレイクダウン)を融合させるかってことになるわけです。海老(リフ)や南瓜(クリーンVo)、もしくは紫蘇(ギターソロ)だったり。…適当に言いましたが笑、ようは具材のチョイスと衣の付け方で生み出すのが前提です。そういう世界の中で、揚がった天ぷらを粉々にすり潰して粉末にしたあげく得意げに「これが新しい天ぷらだ!」とか言われても困るわけです。衣の変わりにデミグラスソースをかけて「これが最先端の天ぷらだ!」とか言われても返す言葉もないわけです。それはメタルコアの範疇で新しいとは呼べないし、もはや別のカテゴリーで議題にすべき内容。

…今の例えで伝わったかは分からないですが笑、あくまで既存のカテゴライズの中で新鮮さを表現することの難しさを感じた1年でした。



単純に新鮮さや技法という意味では、Save Us From The Archonはいつ聴いてもそのオリジナリティと音の鳴らし方に感嘆します。ちなみにこれはメタルコアではないです、まさに別のカテゴリー。


② パフォーマンスについては、昔は揃えていたバンドも段々ラフになってきた中、映像を見る限りSirens & SailorsVoid of VisionAdvocates辺りはまだ真面目にステージングと向き合っていて上がりました。自分のバンドもステージングについてはちょっと思考が変わってきているんですが、そういう時に上述したバンドの映像とかみて良いモチベーションにはなりました。


うちの回転を揃えたり横跳びしたり云々っていうのは、元々日本で誰もやってなかったからやったんですが、いつだったか自分達以外で横跳びするバンドが出てきたのを見て、もう自分の中で区切りがついたというか、"その動き自体"をやる意味は無くなったと思って今年に入ってからやってないですね。例えばですが、もしバンドを始めた時に誰もが回転を揃えるシーンだったなら、棒立ちしてライブすることを誰よりも先にやりたい。そういう考え方です。


揃えるに至る過程も、続ける中で色々経験して考え方が変わって、今は自然と揃った箇所を後から揃えるようにしています。ステージングについてメンバーの感覚が同じであれば、動き方やタイミングっていうのは決めなくてもある程度合ってくるので、そうして結果合った箇所をピックアップしてます。
その結果の塩梅をここで説明するのは難しいので、ライブを見てくださいとしか言いようがないですが…笑。




国内バンドのイベントにも積極的に出向き、ビデオを撮影してポストしたりも良くしてましたよね。来年更なる活躍を期待しているバンドはいますか?


NIGHTSHADE来日の時に対バンしたBeyond Her Wordsはかなり衝撃でした。

貰ったデモの半分くらいはVoをまだ入れてないインストだったけど、基本Novelistsの影響を感じさせつつ、それだけじゃ片づけられない鋭いセンスが光ってた。

あとは同じく東京のSable Hills。レコーディングを一通り担当させてもらいましたが、それ抜きに、最初に僕の手元へ送られてきたプリプロの時点で既に曲がかっこよかった。良い意味で日本人にしかできないメタルコアになってると思います



ライブだけでいったら色々話は変わってくるかもしれないけど、やっぱり自分は曲至上主義だから、今回みたいな機会があった時に、名前出して触れようと思ったバンドはその2バンドですね。BHWのデモ、普通に普段聴いてます。これは別に上から目線とかではなくて、純粋に1リスナーとしてもミュージシャンとしても刺激になったという意味で名前上げさせてもらいました。



Sailing Before The Windで行ってみたい土地、共演してみたいバンドはいますか?

Crystal LakeやHer Name In Bloodのサポートやらせてもらっていた時、相当色々な土地に行く機会があって。そういう、個人だけで行ったことのある場所に次はバンドとして行きたいですね。サポートの時しか見たことない人達に、本当に表現したいことに向かっている姿も見て欲しい。自力で出した音を聴いて欲しい。そういう感情はずっと渦巻いてます。勿論ポジテイヴな意味で。



共演したいバンドについては、Sienna Skiesとのツアーは相当得るものがあったので、また海外バンドと回りたいですね。あくまでも"ツアー"で。やっぱり単発の前座だと外タレもライブ見てなかったりで"共演"にならない場合が多いかなと。Sienna Skiesの時、RNR TOURSが組んでくれたツアーはとてもやりやすかったし、またぜひやりたいと思ってます。



来年はどんなサウンドがシーンでトレンドになると予想してますか?また、このバンドに注目しておいて欲しいという候補があれば教えてください。


今はトレンドがないことがもはやトレンドな気もするので(?)、そろそろPeriphery的な流れで状況を変えるバンドが出てきてもおかしくないかな~とは思います。

今年は最強のシングルを1発出すバンドが多かった!だからアルバムに期待が高まります。特にHEROESと、オージーのWORLDLINES



あとは、ex-DelusionsのAbhorrenceがマニアの間で話題になりましたが、もう1つ違うメンバーが始めたex-DelusionsのRevelationsも気になりますそれ以外ではCircle of ContemptやIN DYING ARMSみたいな、完全にファン待たせてる系のバンド。さすがに来年は出すと思うのでそれがどうなってるのか楽しみですね。

まだ発表できないことも多いと思いますが、2016年はSailing Before The Windにとって、どんな年になると考えていますか?

結局毎年毎年プラン通りには行かないので笑、バンドの目標とか先の予定とか全然決めないことにしてるんですが、曲がたまってきたのでそろそろリリースはしたいですね。今年はどうにかシングル出せたので、来年さらにその流れを繋げられれば。ライブに関しては、今年以上に遠征・ツアーしたいなと。頑張ります。


Sailing Before The Wind